福士誠治という“役者”
少年オヤジ第2回公演「カサブタ・牧野家の幸福な人々」2006.11.26(SUN) at.SHINJUKU
2006年11月29日 (水) 23:46 | 福士の間

誠治くんのブログで、誠治くんも11/25に見に行ったという芝居。
それは、今井事務所の先輩方が滝のように流れ落ちる汗と共に熱演された、このお芝居でした。


作・演出/及川拓郎
出演/
●牧野家の次男():西岡秀記
…ただいまネズミ講やってまーーす♪
●牧野家の長男(マキオ):堀本能礼
…父親の意志を継いで、自宅の底に眠る?埋蔵金を発掘中♪
●牧野家の三男():真田幹也
…交通事故に遭って以来、外に出られなくて引きこもってまーす♪
●長男の嫁():芳野友美
…ヤバーイ宗教にハマッてまーす♪
●三男に監禁されている女(あられ):金澤ゆかり
…長男に連れてこられ、現在は手錠をはめられ三男に監禁され中♪
●牧野家、腹違いの娘(かおり):延増子
…突然現れた、腹違いの姉妹。セックス依存症♪
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11/24日(金)19:30〜
11/25日(土)14:30〜/19:30〜
11/26日(日)14:00〜/18:00〜
at.新宿区新宿2丁目『新宿サニーサイドシアター』

■少年オヤジ様のブログ



もう、ここまで来ると自分の記憶力との戦いです。僕が見に行ったのは、11/26(SUN)18:00からの回(ラスト公演)でした。
DVDなら何度も見直して確認できるのですが、芝居はその時しか見れません。
だからこそ、その感動は絶大なものなのかも知れませんが、上記に記したように、すでに役名さえも薄れてきております(__;) ※誰か教えてーー(・_・、)

僕は若い頃から、友人に役者を目指していた者が多かったこともあり、これまでかなりの回数、“芝居”というものを観てきました。
下北沢『本多劇場』『すずなり』、新大久保『グローブ座』、中野、高円寺、阿佐ヶ谷…そして新宿の小劇場。
…しかし、今回伺ったココ『新宿サニーサイドシアター』は、これまでのどこよりも狭小でした。(観客定員40名ほど)
とにかく25畳ほどのスペースに、役者と観客が蠢いているわけですよ! 興奮しない訳ないです。
そして、それ故に伝わってくる迫力、エネルギー、臨場感は、これまでのどれに比較しても、比にならないものでした。

誠治くんの大切な先輩方が演じたから、そう言っているのではありません。
本当に肌身に直接そう感じたから、そう書かせて頂きます。


*SCENE of ACTORS*____

舞台は牧野家の居間。奥には引き戸、タンス。中央にちゃぶ台。客席から見て右手の手前に電話という、至極シンプルなセット。
天井にはなにやら仕掛け? 右手天井には小さなモニター…


1999年夏__。
世の中は『ノストラダムスの大予言』に踊らされていた、あの頃の話。

長男:マキオ(堀本さん)が、浮気をした自分の嫁(芳野さん)とその浮気相手の三男(真田さん)を金属バット?を持って追いかけ回すシーンから始まりました。
「てめぇーは、こいつの●●を、てめーの●●で!!! てめぇーー殺してやるぅーー」
…とても、文字にはできない言葉がいきなり飛び出し、度肝を抜かれます。(TV放送では“ピーッ”の嵐ですな。)

金属バットに見立てて作られた“金のバット(←中身は何でしょうか?子供のおもちゃのバットに金色テープをグルグル巻きにされているように見えましたが)”で、執拗に殴りまくるその表情たるもの、いきなりのっけから凄すぎる迫力で、すでに開演後2分で汗が滴り落ちる堀本さん。

怒鳴り口調の激しい台詞が続くが、なんと(ノ゚ο゚)ノ!!クリアに一つ一つの台詞が見事に聞き取れるんです。
…これまでいろんな芝居を見てきたけど、こういった口調の台詞は、ただ怒鳴っているだけにしか聞こえず、聞き取れないものが多いのですが、この方のは違う。
なんだろう?
この心地よさは…。

それが、僕のこの芝居の最初に持った印象でした。


「哀しい川を翔ぶ(哀川翔)と書いてマキノマキオ!!」
…この堀本さんの台詞が強烈に残ってて、長男の名前は忘れたくても忘れられません。四十九日を迎えた実父の意志を継いで、ただ今自宅の台所の床を掘りまくって掘りまくって掘りまくっているのです。
…埋蔵金を目当てに。

そんなマキオに外まで追いつめれた二人。三男は通りすがりの車に轢かれてしまいます。
…そのトラウマで、彼はその後引きこもってしまいます。引きこもり前と、引きこもり後での真田さん。まるで宅●郎のような髪型のヅラを巧みに使い分け、その変化ぶりが妙にツボでした。


次男(西岡さん)は、ネズミ講で一攫千金を狙う一匹狼風。かなりの重症のマザコン、でもイケメン。

そして問題の長男の嫁。三男と浮気したあの嫁です。
どんなに家中が大騒ぎをしていても、地震が来ても、天地がひっくり返っても、いつも電話で新興する宗教団体を相手に冷静に話しています。
そしてその時に必ず歌う(教祖様に捧げる?)この曲↓
「ジャックゥー♪ ジャックウゥー♪ ジャックナイフゥー♪   ジャックナイフて・し・が・わ・ら・ー ♪   ジャックナイフてしがわらー(←勅使河原?)♪」


この三兄弟以外に、この牧野家にはもう一人同居人が居ました。
その事故以来、完全に引きこもってしまった三男のために?、長男マキオが駅前で拾ってきた女の子「あられ」。
両手首には手錠をかけられ、当然自由は効かないが、今では飼われている三男に『ホの字』のようだ。


そんな一家がドタバタを繰り返します。
マキオは埋蔵金に固執し過ぎなのか、ちょっとイッチャってます。いや、かなーり、イッチャってます。
「コイツヤバイよ。キ●●イだ、キ●●イだ!!!」
…この放送禁止用語も兄弟達からは頻繁に繰り返されていました。


とにかく弾丸のような、マシンガンのような台詞まわし。
とても見事です。

怒鳴りつける長男。煽る次男。そして、引きこもり=世の中を舐めてる=冷静な三男。
へんてこな捕らわれ身のあられちゃんに、ジャックゥー♪な嫁。
言い合って言い合ってお互いをボロボロに言い合って、で、いきなり始まるんです♪
みんなで手を繋いで、ちゃぶ台を囲んでクルクル回りながら『マイムマイム』の曲に合わせて… 踊るんです♪


そんな中盤、舞台の左側にある中庭スペースから、いきなりトランシーバーの様なものを持って入ってきた女。
…それが、腹違いの姉妹:かおり(延さん)でした。
彼女は、牧野家の亡くなった父親が他に設けた腹違いの娘。
「ワタシはこの牧野家に復讐をするためにやって来たの」
「復讐?あえて復讐しに来たって宣言するのも面白れぇや。」
兄弟達がどんなに煽っても、いたって冷静なこの女。結局、復讐を完結するまでこの家に住み込むことに…。


「ジャックゥー♪ ジャックウゥー♪ ジャックナイフゥー♪   ジャックナイフて・し・が・わ・ら・ー ♪   ジャックナイフてしがわらー♪」
この嫁のシーンになると、モニターにその宗教団体の教祖様が2度映し出されました。
…な、なんと、その教祖役は、今井事務所の最高峰『渡辺哲』さんではありませんか!!!

そう… あの団体__
誰もが心に残って離れないあの宗教団体のあの教祖をパクっているとしか思えないその風貌は、涙が出るほど笑えました。
哲さん、こういった場面にでも、惜しみなく出演されるんですねーー♪ なーんか感動。
2度目のモニター出演の時の、あの
「( ´△`)アァ-( ´△`)アァ-」
って表情は、おそらく僕、一生頭から離れないかと思われます。

…ある意味、トラウマです(・_・、)、僕は…。
※すみません。見ていない方には何のことだかサッパリわかりませんよね…。


ストーリーは急展開__
父親がなんと大金を町金から借金していて、その取り立て(借金取り役の方、すみませんお名前がわかりません)がやって来ます。
その借金の抵当に、土地や家屋もかけられていて、一週間以内に立ち退け!との命令が。

それでも続ける埋蔵金探しの長男、一攫千金の次男。相変わらず現実逃避の三男。
しかし、その発掘中のその穴から、銭形平次の木箱の様なものが発掘され、一家中大騒ぎ!!
中からは、大正時代に作られた銀貨の1円コイン。
「こ、これ、今だといくらなのかなぁ? 借金を返せるぐらいの価値(5,000万以上)はカルクあるんじゃ…」
「しゃ、借金なんかカルク返せるほどの価値が…!!!」

「いや、それ800円(;¬_¬)
「…?????」

うぷぷぷっ(~▽~@)♪♪♪
相当の価値を目論んで盛り上がるメンバーをよそに、ネットで価値を調べてきた三男が、執拗にその価値が800円しかないということを繰り返すシーン
すっごくウケて心に強く印象として残っています。


数日後、再び借金取りが訪れ、家族ともみ合った結果、なんと!! 嫁がその借金取りの背中を包丁で刺して殺してしまいます。
借金取りは、マキオが掘り進めていた穴に埋められ…。
しかし何もなかったように…。


かおりの復讐___
それは重症のマザコンの次男を母親と思わせて誘惑、SEX、そして妊娠。
…腹違いとはいえ、近親相姦ですから。
これ、最高に効き目のある復讐ですネ。
しかし、それはただの生理不順だと分かり、復讐の第一弾は敢えなく失敗に終わりました。


土の中に葬った借金取り___
が、マキオにだけは見えるのです。マキオとだけは、普通に話したり喧嘩したり…。
その姿を見る他の兄弟達に映るマキオは、とうとう果てまでイッチャった長男にしか映らない訳です。
そんなこんな、この牧野家で繰り広げられた、それぞれがそれぞれのベクトルを維持した芝居。
「ジャックゥー♪ ジャックウゥー♪ ジャックナイフゥー♪   ジャックナイフて・し・が・わ・ら・ー ♪   ジャックナイフてしがわらー♪」

…ところどころに、これ↑挟まれ…

「ジャックゥー♪ ジャックウゥー♪ ジャックナイフゥー♪   ジャックナイフて・し・が・わ・ら・ー ♪   ジャックナイフてしがわらー♪」

…↑またかよ!ってくらいに挟まれ、時には家族全員で合唱してみたり。もう、僕はしばらくこの曲が耳から離れませんよ。


最後は「天から恐怖の大王が降ってくる(←ノストラダムスの大予言)」の台詞にならい、多少、やっちゃいけない事件の模倣も絡みつつ、クライマックスは、天井に仕掛けられていた、いわゆる『開かずの間』が解き放たれ…

大量の一円玉が降ってきて幕を閉じました。



すみません。僕のこのレポでは、肝心なストーリーが全く分かりませんよねぇ。
もし再演あるならば、絶対に見に行きたいと思います。

堀本さんの汗が忘れられません。
西岡さんの鋭い視線が忘れられません。
真田さんのヅラが忘れられません。

「ジャックゥー♪ ジャックウゥー♪ ジャックナイフゥー♪   ジャックナイフて・し・が・わ・ら・ー ♪   ジャックナイフてしがわらー♪」
…忘れたくても、忘れられません。
そして、その教祖様。


こんなに近い距離で、これほどの迫力のある芝居を観たのは生まれて初めてです。
誠治くんのブログにもコメントさせて頂きましたが、ほんとうに皆さんの台詞回しのなめらかなこと!!
…これが、僕の最大の印象として残りました。
脚本そのものも、さまざまな風刺も交えてとても楽しかったです。

また、終演後に路上で話されている時、堀本さんが「一円玉片づけなきゃ…」って仰っていたのが、またツボでした。
※今井事務所様。ぜひぜひ、再演をよろしくご検討ください!!
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